ご挨拶

会長

大竹 修一

山形市立病院済生館 

放射線科 科長

 NPO法人山形県喫煙問題研究会のHPへようこそ。

 

 私は画像診断を専門とする医師です。毎日、50名前後のCTやMRIなどの画像を見て、診断のレポートを書いています。気がつくのは、「タバコを吸う人の健康状態はとても悪い」ということです。

 先日も、40歳代男性の肺がん患者さんを見ました。進行したがんで、「これはダメだ」と思わず唸るような大きい腫瘍です。肺はCOPD(肺気腫ともいわれます。肺がタバコのタールで破壊され穴だらけになる典型的なタバコ病です)が広範に併発しており、肺の半分が、溶けてなくなっているような状態です。タバコ30本を18歳から吸っているそうです。中学生と小学生の子どもがいて、専業主婦の妻との4人家族です。様々な抗がん剤もありますが、そう簡単に治る肺がんではないだろうと思いました。

 CT画像を見ながら、もし、この男性が、タバコを吸わない人生を選択していたら、全く別の生活があっただろうと悲しくなりました。子どもたちの将来も、大きく影響を受けるでしょう。タバコは自分だけの問題ではなく、大切な家族の人生をも巻き込むのです。たった一つの選択で、です。

 日々、多くのがんを見ますが、タバコと関連する「がん」はとても多いと実感します。

 「がん」だけでなく、動脈硬化も相当早く始まります。喫煙者の場合、30歳代からCTで動脈硬化を指摘することもまれではありません。以前勤務した県立新庄病院では、60歳前の若年の急性心筋梗塞患者を調べると、90%以上は喫煙者でした。タバコを吸わない人は、60歳前には、心筋梗塞にはならないと言っていいようなデータです。

 「喫煙者の寿命は10年短い。健康寿命はさらに短い」というのは科学的に証明されたデータであり、自分が毎日みているCT、MRIを受ける患者さんの実態も全くその通りと思います。

 

 日本では、毎年13万人がタバコ関連の病気で死亡します。交通事故死は年3200人ですから、40年分に相当します。受動喫煙で死亡するのも、15000人に及びます。

 全て、予防できた死亡です。このまま、放置すれば、現在の未成年の多くも、同じようにタバコで死亡するのは間違いないと思います。

 「このまま、病院に閉じこもっていて、いいのだろうか?」、「子どもたちが、タバコか健康かの選択を、正しくできるようにしたい。」、「受動喫煙で、自分の子どもが死ぬことを避けたい」という思いで、禁煙推進の活動を始めました。

 

 活動を開始した20年前頃と比べて、社会はやっと変わりつつあります。成人の喫煙率も17%と戦後最低となりました。新しい新型タバコの詐欺に近い広告や、居酒屋喫煙が放置されるなどの問題は山積みです。

 大事な子どもたちが、人生を全うできるように、タバコのない社会を実現するために、仲間が必要です。喫煙防止教育やイベントへの協力など、ご協力いただけることはいろいろあります。お気軽にボランティア活動にご参加いただいて、社会を動かしてみましょう。応援ください。

 活動に対する寄付、支援もお願いします。